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 林業経済学会2021年春季大会シンポジウム(オンライン)

2021年春季大会運営委員会 

下記の通り、春季大会シンポジウムを3月24日(水)にオンラインにて開催します。

1.日程・参加申込等

【大会日程】 2021年3月24日(水)  10:00~17:30(16:00より総会)

【会場】 オンライン(アクセス方法はニュースレターおよびホームページで通知)

【プログラム】
 10:00~10:10 開会 座長紹介・挨拶、趣旨説明
 10:10~12:00 報告
 12:00~13:00 昼休み
 13:00~14:00 コメント
 14:00~16:00 総合討論
 16:00~17:30 定期総会(冒頭にて2019年度および2020年度の表彰)
 
【参加費】  無料

2.シンポジウム概要

大会シンポジウム統一テーマ : 近代化と森林管理 : 知の普及に注目して  

座 長: 山本伸幸(森林総合研究所)   
報告者・報告タイトル:
 中島弘二(金沢大学)  日本帝国における森林の開発と保全―台湾を事例に―  
 竹本太郎(東京農工大学)  日本帝国における植民地森林官の思想と行動:齋藤音作の前半期の足跡から 
コメンテーター:大田真彦(九州工業大学), 関岡東生(東京農業大学)   

3.趣旨

 環境保全と資源利用の両立を目的とする森林管理は、近代化のなかで大きく変化してきた。その変化を捉えようとするとき、森林管理という制度自体に注目することもできるし、人工林面積や林業労働者数を統計資料で追跡することもできるだろう。一方で、視点を変えて、制度を実際に現場で運用する森林官や、普及のための仕組み、教育機関や試験場などに注目することもできる。制度は、国家や社会が作り出すだけでは動き出さず、社会を構成する一人ひとりの思想や価値、人々の相互作用こそがそれを動かすとするならば、近代的な学知や技術の普及とそれに対する影響のなかで、現場においてどのような対策が打たれ、消え、そして残っていったのかを明らかにすることは重要であろう。
 いま森林史や環境史に注目が集まる。林業経済学会においても、2012年3月春季大会シンポジウム「近代林学の歴史と環境保全-森林保続思想の世界史-」では、ドイツで生まれた近代林学が世界各国・地域へ伝播する過程で、森林保続思想が受け入れられた背景と意味や、独自のアレンジとその後の展開、「木材生産の保続」と「自然環境の保続」の関係性について議論した。2019年秋季大会における「林業史と森林史」セッションでは、林業史、施業史、林野制度史、山村社会史といったこれまでの視角に対して、森林文化、生物多様性、気候変動といった現在の幅広い要請にも応えようとする森林史や環境史の影響や意義について討論した。
 今回のシンポジウムでは、「森林管理と近代化」という広範なテーマを設定したうえで、「知の普及」に注目したい。まず、これまで手薄になっている日本帝国とその植民地における学知や技術の普及とその影響を中島弘二氏と竹本太郎氏が担当する。中島氏は、日本帝国の植民地における開発と保全の関係に焦点を当てることで、日本帝国の森林管理において近代化とは何だったのか、その全体像を明らかにする。竹本氏の報告は、本国と植民地を往き来した一人の森林官の思想や行動から、学知や技術の空間的な連続性を見出そうとするものである。お二方の報告に対して、植民地を経験した熱帯アジアの森林・林業政策に詳しい大田真彦氏と、戦後を経て現在にもつながる林業普及制度自体に詳しい関岡東生氏にコメントいただく。座長には、森林管理論について包括的な見識のある山本伸幸氏を迎えた。パネルディスカッションでは、「知の普及」をキーワードに、「森林管理と近代化」という大きな課題に、辺境的、個別的、傍流的な視点から、自由な議論を展開したい。フロアとも活発な議論がなされることを期待する。